相続分の譲渡と遺産分割協議が行われた相続登記

相続分の譲渡と遺産分割協議が行われた相続登記に関して通知が出されています。

この通知現在私が受任中の相続登記と重なる部分が多い内容なので、取扱が明確になった点は非常に有り難く思います。ちょうど管轄法務局に事前照会かけなければと思っていたところでした。

内容は長くなりますが、下記のとおりです。

事例 登場人物
A(不動産の所有者・被相続人)
B(Aの相続人)
C(Aの相続人)
D(Aの相続人・Aの死亡後に死亡)
E(Dの相続人)
F(Dの相続人)

事案としましては、Aが死亡し相続が開始しましたが、Aの相続人BCDの間で遺産分割協議が行われないうちに、Dが死亡しました。この時点で遺産分割協議を行う場合の当事者はBCEFとなりました。

BCEFは遺産分割協議を行うことはなく、BはEに、CはFに相続分の譲渡を行いました。(BCは相続分の譲渡を行うことによって、Aの相続関係からは抜けることになります。しかし、Aに借金等の債務があった場合には債権者との関係で単純には抜けられません。)

上記の結果Aの不動産の遺産分割協議を行う当事者はEとFとなりました。EとFで遺産分割協議を行った結果、EがAの名義の不動産を相続することになりました。この場合の相続登記は下記のとおりとなります。

登記の目的 所有権移転
原   因 平成〇年〇月〇日D相続(Aの死亡の日)、平成〇年〇月〇日相続(Dの死亡の日)
以下省略

今回の通知によりまして、この事例においては、上記の取扱にて相続登記を行っていいことが確定しましたが、今までは下記のような登記をしなくてはという考えもありました。

第1申請
登記の目的 所有権移転
原   因 平成〇年〇月〇日相続(Aの死亡の日)
相 続 人 (被相続人A)
B(持分3分の1)
C(持分3分の1)
(亡)D(持分3分の1)
以下省略

第2申請
登記の目的 D持分全部移転
原   因 平成〇年〇月〇日相続(Dの死亡の日)
相続人(被相続人D)
E(持分6分の1)
F(持分6分の1)

第3申請
登記の目的 B持分全部移転
原   因 平成〇年〇月〇日 相続分の贈与(又は売買)
権 利 者 E(持分3分の1)
義 務 者 B

第4申請 BEがCFとなります

第5申請
登記の目的 F持分全部移転
原   因 平成〇年〇月〇日 遺産分割
権 利 者 E(持分6分の3)
義 務 者 F

この事例に関しては第1申請から第5申請のパターンで行わなくてよいことが確定しました。

上記の登記の手続きに関しては私見で記載している部分もありますので、ご了承願います。

通知は登記研究第848号に記載されています。

長い文章となりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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