所有者不明土地の利用の円滑等に関する特別措置法案

所有者不明土地の利用の円滑等に関する特別措置法案が6月6日の参院本会議で成立しました。

法案の概要は下記のとおりです。

1 所有者不明土地を円滑に利用する仕組みの創設
地域福祉増進事業の創設(利用権の設定)
一定の条件のもと、都道府県知事が上限を10年間として利用
権を設定し、公園、道路、公益目的の直売所等として利用出来
る制度です。
2 所有者の探索を合理化する仕組みの創設
3 所有者不明土地を適切に管理する仕組みの設立
財産管理制度に係る民法の特例制度の創設
所有者不明土地の適切な管理の為に特に必要がある場合に、地方公共
団体の長等が家庭裁判所に対し財産管理人の選任等を請求可能にする
制度が創設されます。

詳しくは下記参照して下さい。

特別措置法の概要

今後相続登記の義務化、所有権放棄制度等新たな対策を講じる見込みとのことですので、今後の施策に期待します。

ただし、空き家問題の大きな原因としては、民法に定められている法定相続人の範囲があるのではないかと私は考えます。

結婚されている方の法定相続人の範囲は下記の通りです。
1 配偶者
2 直系卑属(子・孫等)
3 子がいない場合直系尊属(親・祖父祖母等)
4 直系卑属及び直系尊属もいない場合、兄弟姉妹
5 直系卑属に対しては制限なく代襲相続が発生します。
6 兄弟姉妹に対しては一代限りの代襲相続が発生します。
7 相続発生後、法定相続人が遺産分割協議等行う前に死亡した場合、その法
定相続人を起点としてあらたな相続関係が発生します。

現在の民法では上記のような相続関係が発生していきますので、実務の現場では法定相続人の数が、10人以上になることはある程度の頻度で発生してきているように感じます。遺産分割協議は全員の合意がなければ成立しませんのでどのような結果になるかは想像に難くないでしょう。

私は空き家問題を考えていく上では、民法改正による相続人の範囲を狭める手当が必要なのではないかと考える次第です。

現状の問題点は多いと思いますが、遺言等の対策を取ることにより、相続を争続にしない手立ても可能です。相続問題でお悩みの方は是非当事務所までご相談下さい。

 

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