成年後見制度について

成年後見制度とは

成年後見制度とは認知症等により、十分な判断が出来なくなった方を、法律的に保護するために、後見人・保佐人・補助人を選任し、本人の利益を保護する制度です。

本人の利益を保護するための制度であって、本人をサポートする方の利益を保護する制度ではありません。

さて成年後見制度は、ご本人様の判断能力の程度によって、下記のように判断され、それぞれ後見人、保佐人、補助人が選任されます。

  • 判断能力が全くない場合→後見
  • 判断能力が著しく不十分な場合→保佐
  • 判断能力が不十分な場合→補助

後見人が選任された場合

基本的に後見人が法律行為の代理を行い、本人が行った法律行為も、本人の利益にならない場合であれば、後見人は取り消すことが出来ます。しかし、日用品の購入等日常生活に関する行為は、取消権の範囲外になっていますので、本人の判断が尊重されます。本人の後見状態が改善されるまで、後見人の職務は継続します。

保佐人が選任された場合

本人が下記の行為を行う場合、保佐人の同意が必要になります。

  • 元本を領収し、又は利用すること
  • 借財又は保証をすること
  • 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること
  • 訴訟行為をすること
  • 贈与、和解又は仲裁の合意をすること
  • 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること
  • 贈与の申し込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付き贈与の申し込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること
  • 新築、改築、増築又は大修繕をすること
  • 民法第602条(建物であれば3年)に定める期間を超える賃貸借をすること

上記以外の法律行為でも、家庭裁判所への保佐開始の申立の時に、保佐人の同意が必要な行為として申立がされ、家庭裁判所から必要な旨の審判を得ている行為は、同意が必要な行為となります。

上記の行為について、本人が同意を得ずに行った場合は、保佐人及び本人は取り消すことが出来ます。

また保佐人は特定の行為については、家庭裁判所からの審判を得ることにより代理権を取得することも出来ます。

補助人が選任された場合

上記保佐人の同意が必要な行為の一部の行為についてのみ、補助人に同意権、取消権、代理権が与えられます。取消に関する規定は保佐人と同じです。

長くなりましたが、成年後見制度の概要になります。当事務所では申立書の作成から後見人等の候補者になるまでのサポートをさせていただけます。

成年後見事務でのご相談があれば是非ご連絡下さい。

次回は申立書の作成をご案内したいと思います。

成年後見のトップに戻る