遺産分割協議に関する民法改正の動き

相続と遺産分割協議に関して民法改正の動きがあるようです。

10月1日に開催されました法務省の研究会で制度案が示され、2019年2月を目処に報告書をまとめ、2020年の通常国会に民法改正案を提出するとの報道がされています。

概要は下記のとおりです。

  1. 遺産分割協議が出来る期間を相続開始から10年とする。
  2. その期間内に話し合いでの合意や、調停の申立がされなかった場合、法律に従って自動的に権利が決定される。(現行の法定相続分にて確定するようです。)
  3. 共有状態となった相続不動産を、第三者が借りたり、購入しやすい仕組みを作成する。(これが最大の長所です。)具体的には相続人を代表して取引の窓口になる「管理権者」を共有者の持分の過半数が集まれば置けるようにする。(現在では原則共有者全員の同意がなければ処分行為は出来ません)
  4. 所在不明の相続人がいる場合、その相続人の持分を金額換算して、法務局に供託を行うことにより、他の相続人が不動産の持分を取得出来るようにする。

大まかには以上のような制度設計のようです。今まではかなり強くに保護されてきた所有権が制限されるわけですので、今後の紆余曲折が予想されますが、相続困難事案に対して大きな援軍となる法改正ではないでしょうか。

ただ10年は長いですね。なんらかの前提条件を課し、相続開始後2年前後で利用出来るようになればと私は思います。

 

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