相続登記の手続き(遺言編)

当事務所が相続の相談をさせていただく場合、まず確認させていただくのが遺言の有無になります。

遺言がある場合には、原則遺言の内容通りの相続手続きになりますので、どのような内容の遺言なのか、またどのような形式の遺言なのかを確認させていただきます。(ただし、遺言があたっとしても必ず遺言通りに相続が出来るとは限りません。今回はあくまで原則での話ということでご理解下さい。)

さて遺言の形式ですが、民法では自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言、さらに特別の方式によった遺言という形式が定められています。

私が今まで相続登記手続きを行うにあたり、相続を証明する書類として使用させていただいた遺言は自筆証書遺言、公正証書遺言になりますし、遺言といえばこの形式が大多数を占めると思われますので、今回はこの二つの形式の遺言と相続手続きについてご案内させていただければと思います。

まず自筆証書遺言とは、遺言する方が、その全文、日付及び氏名を自署し、押印したものになります。どのような内容を書くかは決められていませんが、自分の財産を誰に相続させるのか、または相続させるのではなく遺贈するのであればその旨を明確にすることは最低限求められると思います。

公正証書遺言は公証人に自分の遺言内容を伝え、それを遺言書として公証人に作成してもらう遺言書です。

公正証書遺言/詳しくはこちら

自筆証書遺言による相続登記手続きを行うにはまず裁判所に遺言書を提出して検認の手続きを受けなければなりません。この検認の手続きは遺言の内容がどのようなものかを確認する手続きではなく、判例によりますと「遺言の方式に関する一切の事実を調査して遺言書の状態を確定しその現状を明確にするものであって」とありますので、遺言が形式に沿って書かれたものかどうか、さらにその遺言書の状態を確定させる手続きということになります。

裁判所に提出する方は、保管している方がいる場合にはその方が、また相続人が遺言書を発見した場合にはその方が提出します。

遺言書の検認/詳しくはこちら

さてこれらの一連の手続きが終了しますと、自筆証書遺言が相続を証明する書類の一部となりますので、他の添付書類を揃えれば相続登記手続きにすすむことが出来ます。

公正証書遺言による相続登記手続きを行うには、裁判所による検認の手続きを経なくても、公正証書遺言は相続を証明する書類の一部となりますので、他の添付書類を揃えれば相続登記手続きにすすむことが出来ます。

遺言による相続登記手続きは、件数もそれ程多くはありませんが、遺言書があれば相続手続きもスムーズにすすむのではないかと思われる相続登記手続きも結構ありますので、終活の重要なテーマではないかと思います。

本日はここまでになります。今後は遺言がない場合の法定相続登記、遺産分割協議による登記手続き等をアップさせていただければと思います。

 

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